企業理念 |
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利昌工業90年の経営の歴史は、前半の40年は創業者が、そして1961年から今日までの50年は私が受け持ったのですが、私は就任にあたり、まず企業理念をつくりました。
そして今日まで50年間、この自分の理念からぶれることはありませんでした。
@小さな企業は、ヒト、モノ、カネといった有形の資産では、大企業に勝てるわけがありませんから、無形の資産を積み上げねばならないと考えました。労使関係の安定もそのひとつです。労使が共通の目的意識を持つようにしようと考え、そこで企業理念は『労使の運命は共同…』ではじまります。
A小規模の会社は、売れるものをつくらねばならない。それには大学や大企業のいう「研究」ではなく「開発」という言葉を当てました。単に品質の研究だけでは「売れるモノ」をつくることはできないのであって、色やデザイン、価格も含めた新しい価値の創造ということになると、マーケティングも大切になってきますから、研究ではなく「開発」がふさわしいと思いました。
B当時はまだ「グローバル」という言葉はありませんでしたが、海外との提携の必要性も謳っています。
Cそして「企業は善なる存在」でなければならないと考えていましたから、繁栄を基礎とする平和な社会に貢献することを利昌工業の使命とする…として締めくくったわけです。
50年たった今も、これらの考え方と同じ思いで経営している点、ぶれなかったことが良かったと思っています。
企業の最大の貢献は雇用です。そして利益を上げて税金を納めることで国家に貢献する。また技術開発を通して優れた商品を出して、世の中の進歩に貢献するという理念を50年間、つなぎ続けることができたと思っています。
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恥を知る |
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私が社会に出た60年前は、非正規従業員など無かったと思います。
利昌工業でも全員が正社員でした。
今日の状況をどうにかしようにも、一企業にはかなわないことですが、私個人としては、好ましくないと感じております。
恥じるという気持ちがあれば、出来うる限り何とかしようという気持ちを、いつも持つことになります。
日本人には、あまり宗教心はありませんが、日本人が日本人らしいところは、常に恥の精神をもっているということです。そんなことをすれば恥ずかしい、世間に笑われるという気持ちが、日本人の精神的な支えにあります。恥の気持ちがなくなれば、何もかもなくなってしましいます。
恥を知るということが大切で、その気持ちが残っておれば、改善の道につながります。
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律義な人 |
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義理堅く実直な人…いわゆる律義な人は、普通は褒め言葉ですが、ビジネスの世界では往々にして、律義は損得の概念からは外れます。
残念ながら時代によって、善人が成功するとは限りません。悪盛んにして天に勝ってしまうことも、ままあるわけです。
律義な人や、人に気を遣いすぎる人は、現実をしっかり見ない傾向があります。理想を追って現実を見たくないのかも知れませんが、これが弱みになります。
人の好さが、つい世間を甘く見てしまう。人の良さが弱みになっているわけです。
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組織 |
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組織は鉄筋コンクリートで出来ているわけではありません。
人と人との心のつながりで組織は成り立っています。このつながりが正しく、強いものであれば、その組織は強い組織ですが、そうでなければこれほど脆いものはありません。
それが組織ですから、会社の組織でも、それを維持するために、細心の注意をはらわねばならないのです。
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築城三年、落城一日 |
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築くのに三年かかった城も、落ちるときは一日といいますが、実は一日で崩れるべき原因が、以前からあったから崩れたのでしょう。
日頃から兵士を鍛え、兵糧を蓄え、城の補修をきちっとやっておれば、一日で崩れることはないのです。
そういうことを怠っていたから、当然のこととして、一日で落城したと解釈します。
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考えが変われば、やり方も変わる |
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月に1000万円は売れるであろうという商品の開発と、月に一億円以上売れるはずとして取り組む商品開発では、やり方が全然違うはずです。
最初の出発点の考え方で、取り組む姿勢が全く変わってくるものです。
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サプライチェーン |
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サプライチェーンが切れると、顧客は、やむを得ず代替材料を使う。この場合は非常事態ですから、便う側は従来品に比べ品質に多少劣るところがあっても、無理をしてでも、使いこなす努力をします。そうすると『何とか使える…』ということになります。
従来、独占的に納入していた第一ベンダーが復旧しても、すでに第二ベンダーがそこそこ使われているとなると、従来の取引条件では再開が難しくなります。
昨年の災害では、この様な事例が多く見られました。
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後輩に対する責任 |
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当社では40年以上にわたり、創立記念日に永年勤続表彰を行っております。
これには2つの条件が揃わねばなりません。
ひとつは従業員である、あなた方が真面目に努力され永年勤続することです。ひとつの企業に志をたてて、それを貫き通す。これは非常に努力がいることだと思います。
もうひとつは、会社が存続しているということです。
また、会社そのものは存続していても、存続のためにリストラが行われると、対象となった人は会社を離れざるを得ないわけですから、永年勤続表彰をすることはできないでしょう。世間には、永年勤続表彰をやめてしまった方が理屈にあっているという会社も多いのです。
我々の会社は、皆さんの努力で健全に推移し、皆さんも真面目に精励され、今年もこのように永年勤続表彰式を執り行っております。
皆さんには、これから後輩のために努力してもらわねばなりません。これからの日本は、非常に悩ましい時代に入りますので、企業もどのようになっていくかわかりません。よって次の後輩が勤続したくても勤続できないような状況に陥らないように…。これは会社の責任でもあるし、本日表彰を受けられたあなた方にも責任があるのです。
(平成23年10月 永年勤続表彰 祝辞より)
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