製品と商品 |
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私達の会社では、製品と商品という言葉をわけて考えています。
製品というのは、売れる前の研究段階のもの、または、はじめから売買の対象とはしないようなモノを指します。しかし、商品となると、これは買って頂けるモノとなりますから、単に性能が良いというだけではダメで、色や形も消費者の満足を得られるものでなければなりません。
曲がった胡瓜や大根は、真っ直ぐなモノと味や栄養は変わらないでしょうが、やはりお金を出して買う商品として、スーパーでは認められません。
従って、商品の開発にあたっては、ユーザーの声を聞かねばなりません。研究開発で最も大切なのはマーケティングであるというのは、私達は製品ではなく商品を開発しようとしているからです。
私は昔、ブルドーザーをつくっている工場を見学したことがありますが、なんと紫色に塗装されたブルドーザーがありました。お客様の要望だそうです。しかも、乗用車と同じようにピカピカの塗装がされています。
ブルドーザーを納めて、一度、現場で使うと石ころだらけの工事現場ですから、キズだらけになると思いますが、傷のないピカピカの塗装でないと検収してもらえない…これが製品と商品の違いです。
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覚悟 |
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仕事をやっている以上、年中、危機はあるもので、責任者は日頃から、そういう危険性があるなーということを知って、覚悟していなければなりません。
日頃から覚悟ができていると、いざ起こった時でも「うろたえる」ことがありません。日頃から、どういうリスクがあるか考えておいて、その時はこうしよう…と予め覚悟を決めておくことです。
覚悟ができていないと、起こった時にうろたえて、誤魔化そうとしたり、解決を先伸ばしにしたりします。
恐ろしいことに人間は、一度誤魔化すと、誤魔化していること自体、しばらくすると忘れてしまうものです。
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世界中から人材 |
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日本の場合は、生産現場はともかく、研究や開発部門での外国人スタッフはまだ少ないと思います。
対して、韓国のS社などは、韓国の人だけが集まっている会社だと思ったら間違いで、要所要所の部門には、世界中から優秀な人材を集めています。もう10年以上も前のことになりますが、私がS社を訪問した時、もと電通の社員まで採用されており、マーケティングの勉強をしていました。
日本は純潔主義といいますか、研究開発部門に外国人がいない企業が大半です。
スピードという点で後れをとっています。
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競争心 |
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日本人全体が競争心を失っているのではないでしょうか?
電機業界でも、競争から逃避するかのように合弁を繰り返しています。結局、うまく行かずに合弁を解消して、もとに戻しているケースも見受けられます。逃げないで、なにくそ頑張ろうという競争心をなくしてはいけません。
また、会社が競争しているのですから、それを構成する従業員どうしも、社内で競争してもらわねばなりません。仲良しクラブでは困るわけで、それは研究開発部門も聖域ではありません。
私が、研究部門にも競争原理を持ち込んで、ひとつのテーマを2チームで競わせることにしたのも、そういう理由からです。
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組織という資産 |
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ヒト・モノ・カネ…と言いますが、もうひとつ大切なのは「組織」です。
京都大学の教授もされた社会思想家の佐伯啓思( さえき けいし) 先生は、最近、国も企業も、この組織が脆弱になっていると指摘されています。
日本の軍隊が強いといわれたのは、兵士一人ひとりの体力や技量ではなく、軍隊としての組織がしっかりしていたからです。昔は村という組織があり、家族という組織がありましたが、こういうものも崩れています。確かに、家庭はありますが、家族という絆は細くなっていると言われます。
会社も、リストラがあるし、永年勤続の表彰をやめる企業も多く、従業員一人ひとりの会社に対する意識も変化しているのでしょう。
しかし、国家にとっても、企業にとっても、大切なのは組織としての力なのです。組織のしっかりした企業が強い企業といえます。従って、私達がやるべきことは常にモチベーションの高い組織にして、いかに無形の資産を積みあげてゆくかということになります。
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白物家電 |
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日本の電機メーカーにとって、これから、洗濯機や冷蔵蔵、クーラーといった白物家電が有力視されています。
いまさらと思われるかも知れませんが、新興国では、テレビや携帯電話は普及していますが、実は、洗濯機や冷蔵庫はこれからといいます。
日本とは逆ですね。日本の場合はテレビが出る前に、洗濯機や冷蔵庫など、生活を便利にする家電製品が普及しましたが、新興国の場合は、先にテレビがあったわけですから、テレビという娯楽のほうに飛びついたわけです。
テレビは普及しましたが、洗濯機や冷蔵庫やクーラーはこれからです。
ここに、高い省エネ技術などをとりいれた日本の白物家電の出番があります。
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熱意と執念 |
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この間、私は、当社の研究開発部員の中から、テーマーリーダー格の15人、入社5〜6年の中堅どころの6名、計21名と、一人ひとり面談しました。
その結果、一人ひとりの技術的なレベルは相当上がっているなーと思いました。しかも、仕事の取り組みについても非常に熱心であることもわかりました。
しかし、まだ少し物足りないと感じたのは「執念」です。熱意のある人が大半ではあるが、それがまだ執念にまでは至っていない。東大の総長であられた有馬朗人先生は『研究は格闘技』であると言われましたが、まさにその通りだと思います。
研究開発には、六割は負けているが、それでもまだ四割ほどは勝っている…というようなことはありません。まさに相撲と同じ格闘技のように、勝つか負けるかの勝負をやっているわけです。熱心…という程度では負けるのであって、それを「何としても…」という執念にまで高めないと、成就はしないと思います。
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値段は最高の品質 |
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われわれは品質の改良には熱心ですが、コス
トを安くして値段を安く提供するという取り組みについては、品質ほどではないように思います。
しかし「値段は最高の品質である」と考えると取り組みかたも変わってくると思います。品質と値段をわけて考えるのではなく、値段(価格)は品質の重要な一部と考えるわけです。顧客にとっては、値段は最高の品質なのです。いま売れている商品が、いつまでもその値段で買って頂けると考えるのは大間違いです。
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引きあうモノをつくる |
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@引き合う所でつくる
A引き合うようにつくる
B引き合うモノをつくる
…私達は今、この三つを、ともに、必然的に同時にやっているわけですが、三つとも苦労がともないます。
同じ苦労なら、やはり日本で雇用を守ることができる「ひきあうモノをつくる」に軸足を置きたい。引き合うとは、コストや賃金に対して引き合って、世界で売れるモノということです。
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