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2018年1月10日
 

利昌工業株式会社


 

安心・安全にご利用いただくために
 利昌工業の前身は100年ほど前に開業した「利昌洋行」という電気絶縁材料の貿易会社です。国産品には良いものがなかった時代ですから、絶縁材料のほとんどは外国からの輸入品でした。
 また、それらが使用されるのは大抵、電気機器の内部という地味な存在でもあり、輸入品の選定や発注にあたっては、従来のものをそのまま踏襲するという傾向が多分にありました。
 一方で、この時代においても電気機器は急速に進歩していました。電気絶縁材料もこれにあわせて進歩する必要がありますが、常に遅れがちで、かつ外見や体裁ではその良否を鑑定することができません。
 そこで創業者である利倉駒二郎は、お客様に安心してご利用いただくため、個人企業としては例をみない本格的な試験設備をスイスからとりよせ、輸入したものをそのまま出荷するのではなく、試験した後に出荷することにしました。1929年、折しも「世界大恐慌」最中の大きな投資でした。

 

用途別国産品の開発
 試験の結果、用途に応じた特性を備えているはずの製品は、いずれも従来品に若干の改良を加えてお茶を濁しているだけで、本来の使用目的を完全に満足させていないことが判明しました。
 そこで駒二郎は、用途によって異なる性能を完全に備え、かつ湿潤な日本の気候にも耐える国産の絶縁材料を、自ら開発することにしました。

 

受け継がれる安心・安全の精神
 1970年代になると家庭用の機器にも電子化が進みます。これにともない電気絶縁材料も「電子材料」化が進み、それまでにはないさまざまな特性が求められるようになりました。
 これをうけて利昌工業では1976(昭和51)年に研究所を開設したのを皮切りに、現在では3つの研究開発センターに充実の試験機器を備え、お客様に安心・安全にご利用いただける絶縁材料や電子材料をご提供する体制を整えております。