■安心・安全にご利用いただくために
利昌工業の前身は100年ほど前に開業した「利昌洋行」という電気絶縁材料の貿易会社です。国産品には良いものがなかった時代ですから、絶縁材料のほとんどは外国からの輸入品でした。
また、それらが使用されるのは大抵、電気機器の内部という地味な存在でもあり、輸入品の選定や発注にあたっては、従来のものをそのまま踏襲するという傾向が多分にありました。
一方で、この時代においても電気機器は急速に進歩していました。電気絶縁材料もこれにあわせて進歩する必要がありますが、常に遅れがちで、かつ外見や体裁ではその良否を鑑定することができません。
そこで創業者である利倉駒二郎は、お客様に安心してご利用いただくため、個人企業としては例をみない本格的な試験設備をスイスからとりよせ、輸入したものをそのまま出荷するのではなく、試験した後に出荷することにしました。1929年、折しも「世界大恐慌」最中の大きな投資でした。 |