Products News 287

2023年10月10日

利昌工業株式会社


分散型クリーンエネルギーの進展
 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、電力の分野では太陽光、風力、バイオマス、あるいはマイクロ水力といった再生可能なエネルギーを利用した発電が盛んです。このような分散型クリーンエネルギーの導入には国の援助もあり、今後ますます進展するものと思われます。
系統連系の注意点
 しかし、これらのクリーンエネルギーを「一般送電事業者」すなわち関西電力や東京電力といった10電力会社に由来する送電会社の電力系統(発電・変電・送電・配電のシステム)につないで(連系して)利用する場合は注意が必要です。
 何かしらの原因により、分散型電源において短絡事故(いわゆるショート)が生じると短絡電流が発生します。短絡電流の大きさはショートする場所によってかなり異なります。これが遮断器を動作させる程度(遮断容量)を超えるものになると、短絡電流を遮断できずに系統側へ流出し、被害がさらに拡大する可能性があるからです。
 いささか心配が過ぎるかも知れませんが、短絡電流が系統側へ流出し続けると、事故を最小限に防ぐため、その地域を担当する変電所の遮断器が作動して大規模な停電が発生するかも知れません。もしこの地域に、一瞬たりとも電圧の低下が許されない工場があってロット単位の不良が出たら、あるいは通信業者のデータセンターがあってインフラ関係などのオンライン処理に支障がでたら、さらには悪影響がその地域に留まらず、発電所にまでに及んだら、天文学的な賠償額になるかも知れません。
限流リアクトル
 このような事態に対応する手段の一つとして、分散型電源の受配電設備に限流リアクトルなどを設置し、短絡電流を低減させることがあげられます。
 経済産業省の「電気設備に関する技術基準を定める省令」においても「分散型電源の連系により、一般送配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が、当該分散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそれがあるときは、分散型電源設置者において、限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること」と示されております。
限流リアクトルの役割
 限流リアクトルはコイル(巻き線)の一種です。コイルには交流を容易に流させまいとする働きがあります。これを分散型電源設備に直列に挿入することで、短絡電流の大きさを抑制するわけです。
 このため限流リアクトルには、大きな短絡電流が流れても安定的かつ一定のインダクタンス(交流回路における抵抗)を発揮し続けること。そして、このおり大きな機械的応力が生じても、壊れずにその役割を全うすることが求められます。
 これを受けてリショーキャスト限流リアクトルは、空心かつモールドタイプでリリースしております。




詳細は、PDFファイルでご覧頂けます。
当、Products Newsは、「RISHO NEWS 231号」より抜粋しました。
再生可能エネルギー発電の事故対策に多くのご愛顧 限流リアクトル(PDF 1.05MB)



利昌工業株式会社