一隅の経営 100
RISHO NEWS197

利昌工業株式会社 代表取締役会長兼CEO

利 倉 晄 一

 

値上げができる企業

100-01

 本年一番の有望株は、値上げができる会社の株だということが新聞に出ていました。
 これまで、値上げは悪だという風潮があってデフレが続き、日本経済は縮んでいました。
 デフレもインフレも行き過ぎると、どちらも悪いわけですが、アベノミクスでは今、デフレからの脱却に努力しているわけで、むしろこれからは、値上げが必ずしも悪ではなくなったわけです。
 円安は、輸出には有利に働きますが、原材料の多くを輸入に頼っている企業にとっては不利に働いています。
 原材料のコストアップを売価に転嫁したいわけですが、値上げができる企業と、値上げがしたくてもできない企業があります。値上げができる企業が有望株というわけです。 
 品質が悪くて、納期もでたらめで、値段もよそと比較して高い…これで値上げして欲しいといっても無理があります。
 従って、適正な値上げができる態勢が必要なわけで、われわれは、一層のコストダウン、品質の向上に努めなければなりません。
(平成27年 年頭訓辞より)


見せられません

100-02

 日本人は、昔から人に気を遣うところがありますから、「それは教えられません」とか「そこは見せられません」とかは言いにくい。
 しかし、これからの日本人は、これはできる。これはできない。とはっきり言うべきです。
 国際社会の中で戦っていくために、秘密保持がますます重要で、その意味でも、好むと好まざるとに関わらず、はっきりものを言う習慣が大切です。
 相手が気を悪くするのではないか?などという気遣いは不要です。外国人は、その点を割り切っているものです。



経営

100-03

 考えなければならないのは「利益」ではありません。「リスク」を考えるべきです。
 会社を潰す人は、利益だけを考えています。
 このコーヒーを何杯売ったら、いくら儲かるとか…



限界

100-04

 自分で限界をつくらないこと。


避難訓練

100-05

 一番弱い人を基準に考えることが大切です。


発明の報酬

100-06

 発明した人に、それなりの報酬を授与するのは当然のことです。
 但し、その発明品が売れたのは、発明者一人の力ではないはずです。生産現場の人とか、営業の人とか、大勢の会社の人が関わったはずですから、他の部署の人も、ある程度、納得できる金額であるべきだと思います。


執着

100-07

 われわれメーカーの仕事はある程度、執着しないとできません。
 商品開発に5年も10年もかかるケースがありますから、根気が要ります。
 金融の仕事というのは、われわれ程、執着していては成り立たない仕事なのだと思います。
 この違いは理解できます。



自分があわせる

100-08

 世の中の動きは、変えられませんから、自分が変わらなければなりません。
 世の中が自分にあわせてはくれませんから、自分を世の中にあわせることです。
 自我は少し抑えて、但し、信念は曲げないことです。



大軍に兵法なし

100-09

 昔から大軍に兵法なしといって、大企業でも同じことですが、大きいだけで強い。油断さえしなければ、それだけで強いのです。
 桶狭間でも、信長は今川軍の油断につけこんだのであって、今川側に油断がなければ、信長の勝利はなかったと思われます。
 対して、小軍には兵法が要ります。作戦、工夫、用心がないと生き残ることはできません。



グローバル化とローカル化

100-10

 グローバル化が進みますと、30年先か、50年先には、世界中のどこの国も、みな同じレベルになります。
 つまり、特定の国から輸入するメリットがなくなります。
 すると今度は、ローカル化が価値あるものになってくるかも知れません。今でも、大手とは差別化した、地方の小さな資本のスーパーが存在感を示している事例があります。
 グローバル化だけに価値があるわけではありません。ローカル化が無価値なのでもありません。



用心と臆病

100-11

 臆病になる必要はありませんが、生きてゆくためには用心が必要です。
 用心して、そして臆病にはならないことです。びくびくして生きていても人生楽しくありません。
 逆に人生に失敗している人は、臆病なくせに、用心をしない人です。



責任をもちます

100-12

 「責任をもちます」という発言は、人にも国家にも迷惑をかけない。ということなのです。
 軽々しく口にできる言葉ではありません。



格差

100-13

 人間には生まれながらに格差があります。
 100歳まで生きる人もおれば、たった10歳で死んでゆく少年もいます。
 ノーベル賞をとる人もおれば、ドロボウをして捕まる人もいます。
 良くやった人には優をつけるし、そうでない人は可と評価します。
 完全に格差をなくした公平な社会が望ましいとは思いません。
 公平ではなく「公正」であるべきで、公正という価値観には格差も入っていると思います。



本稿は、利昌工業株式会社取締役会長兼CEO 利倉晄一が社内の会議等で、発言したことを社員が記録したもので、社内報に掲載したものを一部転載させて頂きました。