■ リショーモールド電気機器の歴史
今から60年ほど前の1953年(昭和28)、利昌工業は、わが国ではじめて計器用変成器をモールド化しました。ここから当社における電気機器のモールド化の歴史が始まります。
当時、計器用変成器には、自然劣化による絶縁破壊や雷撃による故障が多発しており、電力会社様などから、その相談が当社に寄せられました。
これを受けて、当時営業部長であった利倉社長は、従来のようにテープやワニス、あるいはオイルで絶縁するのではなく「コイルを樹脂の中に完全に埋没させる」のが良いとご提案いたしました。
ただ、利昌工業が得意とするフェノール樹脂は成型に大きな圧力を要するため、常圧で成型できるポリエステル樹脂なら、コイルにおよぼす影響が少なく最適との利倉社長の判断により、ポリエステル樹脂にコイル埋没させた、わが国初のモールド計器用変成器が誕生しました。

その後、さらにコイルのモールドに適したエポキシ樹脂が出現しましたので、1962年(昭和37)からはエポキシモールドの計器用変成器を製造しておりますが、上写真の変成器は、今ではモールド品が一般的となっている計器用変成器のご先祖様といえます。
1973年(昭和48)わが国初となる配電用変圧器のモールド化。

1967年(昭和42)には加圧ゲル化方式によるエポキシ樹脂碍子の製造開始。
1985年(昭和60)には、業界では難しいとされていた高圧進相コンデンサのモールド化に世界ではじめて成功します。

さらに2008年(平成20)には、XFEL(X線自由電子レーザ)を発生させるための大電力高周波管(クライストロン)にパルス電流を供給する変圧器を、モールド化するご依頼をいただきました。
この用途のモールドパルス変圧器も、管見の限りでは、世界ではじめてのもの思われます。

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