RISHO Now 181_5

平成23年4月10日
 

利昌工業株式会社



 

 このたび『モルコン』の新しいカタログができましたので、ご案内申しあげます。

 

『モルコン』の特長 

 モルコンは、コンデンサ素子をエポキシ樹脂で完全にモールドするという、世界でも他に類を見ない「完全固体絶縁」方式の高圧進相コンデンサで、下記のような特長を備えております。

 

1)防災性に優れています

難燃性エポキシ樹脂を用いた、完全モールドタイプで、可燃物であるオイルを使用しておらず、重要な施設にも安心してご使用頂けます。

 

2)地球環境に優しいコンデンサです
モールド化による固体絶縁構造で、環境汚染物質であるオイルや、地球温暖化防止に関する排出抑制ガスであるSF6ガスを一切使用していません。

 

3)メンテナンスフリーです
ブッシング一体モールド構造で、鉄製溶接容器構造ではないことから、密閉性・耐汚損性に優れています。

 

4)耐湿性・耐水性を有しています
耐湿性・耐水性に優れた完全モールド構造の為、受電設備に設けた水系消化設備使用後も、適切な処置を施す事で再使用が可能です。


 

異常検出装置つき

 モルコンは鉄のケースを持ちませんので、ケースの外観的変化でコンデンサ素子の劣化を知らせることができません。
 そこで、中性点の微弱な差電流をキャッチして回路の開放を促す「異常検出装置」を装備しております。
 ごく初期段階で、異常を知らせる安全設計となっており、保護装置には誤動作防止のためのノイズ対策も施しております。

 

リショーモールド電気機器の歴史

 今から60年ほど前の1953年(昭和28)、利昌工業は、わが国ではじめて計器用変成器をモールド化しました。ここから当社における電気機器のモールド化の歴史が始まります。
 当時、計器用変成器には、自然劣化による絶縁破壊や雷撃による故障が多発しており、電力会社様などから、その相談が当社に寄せられました。
 これを受けて、当時営業部長であった利倉社長は、従来のようにテープやワニス、あるいはオイルで絶縁するのではなく「コイルを樹脂の中に完全に埋没させる」のが良いとご提案いたしました。
 ただ、利昌工業が得意とするフェノール樹脂は成型に大きな圧力を要するため、常圧で成型できるポリエステル樹脂なら、コイルにおよぼす影響が少なく最適との利倉社長の判断により、ポリエステル樹脂にコイル埋没させた、わが国初のモールド計器用変成器が誕生しました。

 その後、さらにコイルのモールドに適したエポキシ樹脂が出現しましたので、1962年(昭和37)からはエポキシモールドの計器用変成器を製造しておりますが、上写真の変成器は、今ではモールド品が一般的となっている計器用変成器のご先祖様といえます。

 1973年(昭和48)わが国初となる配電用変圧器のモールド化。

 1967年(昭和42)には加圧ゲル化方式によるエポキシ樹脂碍子の製造開始。

 1985年(昭和60)には、業界では難しいとされていた高圧進相コンデンサのモールド化に世界ではじめて成功します。

 さらに2008年(平成20)には、XFEL(X線自由電子レーザ)を発生させるための大電力高周波管(クライストロン)にパルス電流を供給する変圧器を、モールド化するご依頼をいただきました。

 この用途のモールドパルス変圧器も、管見の限りでは、世界ではじめてのもの思われます。


 

ミニチュアモデルとともにご説明

 高圧進相コンデンサにモールドタイプがあるのを存知でない方がおられました。
 そこでこのたびPR用のミニチュアサンプルを製作いたしました。1/5サイズながら、実物と同じ製法でモールドしております。
 このたび出来上がった新版カタログとともに、このサンプルも持参して『モルコン』をPRしたいと存じます。