■
尼崎工場の建設
利昌工業が尼崎工場の建設に着手したのは1938(昭和13)年です。1941(昭和16)年には、当時の主力製品のひとつであった、配電盤パネル用の絶縁セメント板をつくる工場が竣工し、稼働を開始しています。
|
■
海軍省指定工場
当時は戦時一色で、平和産業が存立する余地はありませんでした。
電気絶縁材料を製造する利昌工業も例外ではなく、海軍艦政本部の管理下におかれます。艦船は必要な電力を自家発電しますので、ここに艤装される発電機、変圧器、あるいは蓄電池まわりの電気絶縁材料の調達先に指定されたわけです。
|

|
■
第一プレス工場
これを受けてフェノール樹脂積層板をつくる工場の建設に入りますが、当時はあらゆる物資が払底し、鉄骨が入手できません。そこで面積約600u、高さ約12m。これの室内には柱を入れず、しかも木造で竣工したのが第一プレス工場です(昭和18年7月)。
|

|
■
利昌工業のレガシー
木造建築の粋を結集したかのように見える屋根の木組みは実に見事で、このような建物はあまり残っていないように思われます。おかげさまで、その後70余年フェノール樹脂積層板には絶えざるご愛顧を賜ることができ、この建屋は1995年にこの地を襲った大地震にも耐え、竣工当時の姿をほぼそのままにフル稼働を続けております。
まさに利昌工業のレガシーといえる建物です。
|

|

|
■
見学通路を建設中
ただ今、第一プレス工場をガラス越しに見学いただくためのリノベーション工事を行っています。完成したらまた本誌でご紹介したいと存じます。
|