RISHO Now 205_2

平成29年4月10日
 

利昌工業株式会社



 

 

自動車業界向け展示会に出展
 去る1月18日(水)から3日間、東京ビッグサイトにて、オートモーティブワールド 国際カーエレクトロニクス技術展が開催されました。
 これまで利昌工業では、毎年同時期に同会場で開催されるインターネプコン プリント配線板エキスポに出展しておりましたが、自動車の電動化・電子制御化が急速に進展するのに鑑み、自動車業界向けの展示会に出展した次第です。

 

車載機器用プリント配線板材料を展示
 利昌工業のブースでは、パワーデバイスと呼ばれる電気自動車の電力変換用半導体を搭載するための基板材料、自動車用LEDランプまわりの基板材料、あるいはミリ波レーダや赤外線センサーの部品を搭載するための基板材料など、車載機器用のプリント配線板材料を展示しました。
 主な展示品をご紹介します。

 

■熱硬化後もしなやかな低弾性絶縁層 アルミベース基板材料 AC-7303

 エンジンルームのように、相当な高温となり、あるいは激しい温度差がある環境に搭載される機器のために開発したプリント配線板材料です。
 アルミ板の表面に配する絶縁層は、熱硬化後も非常にしなやかです。これがアルミ板の熱膨張や収縮を吸収しますので、搭載部品のはんだクラックが起こりにくいプリント配線板材料です。

 

 

 

 アルミ板の表面に配する絶縁層は、熱硬化後も非常にしなやかです。これがアルミ板の熱膨張や収縮を吸収しますので、搭載部品のはんだクラックが起こりにくいプリント配線板材料です。

 

 

 図1は、AC-7303(貯蔵弾性率1.2GPa)と一般のアルミベース材(同15GPa)に、それぞれ3225と呼ばれるサイズのチップ抵抗を、鉛フリーはんだで搭載したサンプル用意し、これをマイナス40℃の雰囲気に30分間、プラス125℃の雰囲気に30分間、交互に置くことを1000回繰り返した後、はんだつけ部分を電子顕微鏡で撮影したものです。
 AC-7303に搭載した電子部品のはんだつけ箇所には、クラックが生じていないことがわかります。

 

 しなやかな絶縁層を持つAC-7303は、曲面を持つ形にしても回路が断線しませんので、意匠性が必要な用途にもご採用いただけるものと期待しております。

 

 

 

■0.1mm厚でも光を通さない黒色プリント配線板材料 CS-3667B

 光学式センサーの基板に搭載される、発光部品(赤外線LED)と受光部品(フォトトランジスタ)を、光学的に分離する用途を想定した黒色のプリント配線板材料です。

 

 

 下の写真は、CS-3667Bと比較の黒色基板材料をLEDの光源にかざしたものです。どちらも厚さ0.1mmのサンプルですが、CS-3667Bは光を透過しないことがわかります。

 

 

 CS-3667Bは難燃性で、かつ耐熱性や強度にも優れますので、内装用やディスプレイ用など、薄くても光を通さない材料が必要な分野にもご採用いただけるものと期待しております。

 

展示サンプル
 この度の展示会では、テクノ電子株式会社様に展示用の加工サンプルを製作いただきました。
 この場をお借りして御礼申し上げます。