RISHO Now 215_2

2019年10月10日
 

利昌工業株式会社


 

高齢者講習/受講者急増のわけ
 2017(平成29)年3月より、運転免許証の更新日時点で75歳以上になるドライバーは、まず自動車教習所において「認知機能検査」を受け、後日、この結果に基づき、ふたたび教習所で「合理化講習(2時間)」あるいは「高度化講習(3時間)」を受講するように制度が改正されました。
 それまで1度で済んでいたものが、少しの日数をあけて2度、必要となったわけですから、受講者数が倍増したのと同じ格好になっています。
 これに加え、更新日の時点で70〜74歳のドライバーも事前に合理化講習を受講するのですが、この方々は、いわゆる「団塊の世代」に属しますので、自ずと受講者が多くなるわけです。


高齢者講習の受講期間とそれへの対応
 高齢者講習は、免許証の更新期間満了日の6か月前から受講することができます。その日が近づくと都道府県の公安委員会より「高齢者講習通知書」のハガキが届きます。ここに高齢者講習を受講できる自動車教習所のリストが記されていますので、受講日時の予約を取ります。
 冒頭でも触れましたが、更新日時点で75歳以上となる方は、少しの日数をあけて2度、教習所へ赴く必要があります。その都度予約を取る必要もありますので、早めに行動を開始されるようおすすめします。

電話で予約
 予約はネットでなく、電話でするのが一般的です。これは自身の言葉で要件を伝え、その結果を聞き取り、理解する能力が、まず試されているものと推察します。
 高齢者の方との電話応対は比較的長い時間を要する傾向にあり、これが「いつも話中」の要因のひとつとなっております。
 何卒ご賢察賜りたくお願い申し上げます。


二つの大きな流れ

 高齢者講習は公安委員会が指定する自動車教習所において、都道府県単位で実施されます。 これを受講すると、教習所で「高齢者講習終了証明書」が発行されますので、免許センターや 警察署に持参し、所定の手続きや検査を経て、免許が更新されるというのが一般的な流れで す。
  この流れは、70〜74歳の人と、75歳以上の人で、大きく二つに分かれます。
◆70〜74歳の人
 運転免許の更新日時点で70〜74歳の人は、事前に予約を取った上で自動車教習所へ赴き、下 記のような「合理化講習」(2時間)を受講します。
@ 座学
  DVDなどで交通ルールや安全運転の知識を再確認します。

A 各種視力検査
  機材を使って動体視力、夜間視力、視野を企座学のようすを測定します。

B コース内での運転
  運転しながら指導員の助言を受けます。


◆75歳以上の人
 運転免許の更新日時点で75歳以上の人は、事前に予約を取った上で自動車教習所へ赴き、まず下 記のような「認知機能検査」 (30分)を受検します。
@ 時間の見当識
  検査時における年月日、曜日および時聞を回答します。
A 手がかり再生
  一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントをもとに回答します。
B 時計描写
  時計の文字盤を描き、さらにその文字盤に指定された時刻を表す針を描きます。
◇認知機能試験の結果を受けて
 後日、公安委員会から認知機能検査結果通知書が送付されてきます。この結果に基づき、再び自動車教習で予約を取り、次の@あるいはAの講習を受講します。
@記憶力・判断力に「問題なし」と判定された場合は、先にご紹介した70〜74歳の人と同じ「合理化講習」 (2時間)を受講します。
A記憶力・判断力が「少し低い」と判断された場合は、次にご紹介する「高度化講習」(3時間)を受講します。
◇高度化講習(3時間)の内容
 高度化講習では、合理化講習のところでご紹介した座学と各種視力検査に加え、コース内での運転のおり、そのようすを録画し、降車 後、映像をみながらの個人指導が行われます。

 なお、認知機能検査で記憶力・判断力が「低い」と判断された場合は、医師の診断を受けることになります。この結果「認知症でない」と診断された場合は高度化講習を受講し、「認知症」と診断された場合は、免許取消の行政処分となります。

専用棟新設/駐車場完備 受講者急増に対応
 このたび利昌工業グループの武庫川自動車学園では、高齢者講習の予約が取りにくい現状に対応するため、専用の講習棟を新設しました。
  30台収容の駐車場も完備しており、高齢者講習の受入率は兵庫県内でトップクラスです。
  予約専用の電話回線と処理システムを導入し、専従指導員や専任スタッフが対応します。
  これにより、繁忙期においても比較的短い待機期間で試験や講習の予約をとっていただけるものと期待しております。