RISHO Now 217_1

2020年4月10日
 

利昌工業株式会社


全周720メートルの万年塀
 尼崎工場は全周約720メートルにわたり、鉄筋 コンクリート製のいわゆる「万年塀」で囲われています。

 この塀は、鉄筋コンクリートを構成する鋼棒やセメント、あるいは、これらで作られる柱、板、笠木などといった壁の構成材について試験方法を定めたJIS規格(A 5409/鉄筋コンクリート組立塀構成材)を満たすものです。 
 1995年1月、当地を襲った大地震では、煙突が倒れたり、地盤が陥没したりと、尼崎工場でも被害が出ましたが、この万年塀は全く無事でした。しかし築60年となるのもまた事実ですので、念のため大規模な補強を施すことになりました。  

100本以上の支柱などで徹底補強
 補強にあたっては、壁の内外から鋼材で挟む格好で、一対の支柱を立てました。ここにボルト&ナットを通して壁面を固定し、支柱には地下1.6メートルまでアンカーが入っています。 
 このような鉄製の支柱を新たに100対以上追加しました。さらにクラックが入った既設の柱にはエポキシ樹脂や無収縮モルタルなどで補修した上で、鉄板とコンクリートで固定するなど3ケ月をかけて徹底的に補強しました。

樹木のドクターにも相談
 今回の補強のきっかけは2018年6月に発生した大阪府北部地震です。速やかに補強を決定しましたが、その秋に関西地方を襲った台風の被害などで建設業界が忙しく、このあとご紹介するツタの生育にも鑑み昨年12月からの着工となりました。 
 万年塀には、毎年春先から秋にかけて、ツタが繁茂します。工事にあたっては樹木のドクターのアドバイスを受け、ツタの生育にも配慮しました。