■どこから入れたの?
その昔「地下鉄の電車はどこから入れたの?」という漫才がありました。
配電盤室を新設して相当な年月が経ったあと、最も大きい機器である変圧器を取り換えるにあたり「これ、どこから入れたの?」といったことが、実は、ままあります。
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■特別高圧&大容量 変圧器の現地組み立て
利昌工業では、このようなご相談を受けた場合、「変圧器の現地組み立て」(オンサイト・アセンブリ)をご提案しております。リショーキャスト変圧器は絶縁油を使用せず、さらにガラス繊維強化エポキシ樹脂でモールドした頑強なコイルをもちますので、現地組み立てにも最適です。
先日も、定格一次電圧が2万2千ボルト(特別高圧)、定格容量が3千キロボルトアンペア(大容量)といった変圧器を、施主様の配電盤室で組み立てました。
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■現地で積み鉄心に
この変圧器の能力は、一般的な家庭の契約アンペア数を40アンペアとすると750軒の家庭に電力を供給できるほどで、相当な大きさと重さになります。今回は、これと同等諸元である既設の風冷式モールド変圧器を更新するにあたり、リショーキャスト変圧器(自冷式)を「コイル」や「鉄心」といったパーツに分けて搬入したのち、現地で組み立てるという方法をご提案したものです。
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ただ今回は、搬入経路の都合で鉄心を完成品の格好で搬入することができず、これを構成する数百枚の薄い鋼板の格好で搬入することにしました。
変圧器の鉄心は電圧の変換効率を向上させるために「一本もの」の太い鉄棒ではなく、厚さ0.3mm程度の薄い鋼板を何層にも重ねた「積み鉄心(積層鉄心)」の構造になっています。そこで今回は、搬入した鋼板を現地で積み上げ、鉄心の完成品に組み上げることにしたわけです。
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■安全作業で特別任務を完遂
変圧器の交換にあたっては、全館を停電させる必要があり、関係者には事前にその日時が通知されています。このため、現地組み立ても、所定の期日までに作業を終えることが必須です。
今回は施主様の配電盤室という緊張を伴う環境の中で、数百枚の鋼板を積み上げるという細かい作業を伴いましたが、現地に派遣されたベテランスタッフは、腕利きの揚重屋さんのサポートも得て、安全作業で特別任務を完遂しました。
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■まとめ
変圧器の現地組み立てにあたっては、配電盤室あるいはそのすぐ近くに、安全作業とこれに必要な部材を一時保管するためのスペースが必要です。また、相当な高さがある重量物を垂直方向に動かす作業を伴いますので、スペースには重機を持ち込み稼働させるための高さ、さらに床面には強度と水平度も必要になります。
このように変圧器の現地組み立てにあたっては、ご需要家様ごとに条件が異なりますが、利昌工業では、これまでの実績をもとに、できる限りご要望にお応えしたいと存じます。
お気軽にご相談いただきたく、お待ちしております。
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