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■ナノセルロースジャパンの一員として
さる6月10日(火)から16日(月)までの7日間、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「フューチャーライフヴィレッジ」でナノセルロースジャパン(NCJ)が「うわっ、うわっ、うわっ、ナノセルロース」という展示ブースを広げました。
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この一角の「体験ゾーン」にて利昌工業のCNF100%からなるパイプを展示いただきました。
利昌工業は「ナノセルロースジャパン(NCJ)」という組織に所属しています。
NCJは産官学の連携によるナノセルロースの技術開発と普及、会員企業間の協業や事業化を推進し、ナノセルロースの実用化・産業規模の拡大、さらには国際標準化の提案など日本の国際的な産業競争力の向上を目的としています。
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■セルロースとは
セルロースは、樹木など植物が水と空気中の二酸化炭素から光合成によって得たブドウ糖が数多くつながった自然由来の高分子です。この生成の過程で排出されるのは酸素。樹木の重さの約半分はセルロースなどを構成する炭素であるとされており、この炭素は循環しているため地球温暖化の悪役にされている二酸化炭素の増減とは無縁です。
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■持続可能な開発目標 達成のために
大木が自らの重さを支えているのは、体幹となるセルロース繊維の強さに由来します。我々の最も身近にあるセルロース繊維の加工品は紙です。源氏物語の写本が今に残るように、長期の耐久性も実証済みです。
近年では、このような植物由来のセルロースの活用の場を広げることで、石油由来の材料への依存度を減らす取り組みが進められています。
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■ナノセルロースとは
セルロース繊維を高機能化する手段のひとつに「繊維の微細化」があります。紙のように、パルプからなるセルロース繊維が複雑に絡み合ってできたものは、その繊維が細いほど丈夫になります。細くなれば繊維どうしが交わる箇所が多くなり、さらに複雑に絡み合うためです。
ナノセルロースのサイズ感は、紙の繊維を、さらに百から千本に裂いたようなイメージです。
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■世界に冠たる技術を目指して
このようなナノセルロースは、さまざまな材料や製品に取り入れることで、その改質や機能性の改善、さらには高性能化を図ることが期待されています。
これらはプラスチックやゴムといった材料だけではなく、繊維、化粧品、食品、インク、高分子吸収体などさまざまな分野で実現が可能で、各社が連携しながら研究開発に取り組んでいます。
最近、わが国は先端技術開発の面で何かと他国の後塵を拝し気味です。NCJのメンバーは、この分野で世界に冠たる技術を開発されています。
大阪・関西万博への展示というまたとない貴重な機会を賜り、まことにありがとうございました。
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