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2026年1月10日
 

利昌工業株式会社

利昌工業のCNF関連製品が多数展示される
 去る10月16〜17日「ふじさんめっせ」(富士市産業交流展示場)にて「ふじのくにセルロース循環経済国際展示会」が開催されました。
 この展示会はセルロースナノファイバー(CNF)をはじめ、自然由来で環境に優しいセルロース素材を活用した製品開発を促進するため、国内外の関連企業や団体が一堂に会し、その技術や製品を来訪者に提案するもので、今回で9回目です。
 今回の展示会では、利昌工業が開発したCNF材料に関係する製品が多数展示されました。

■表面硬度に優れた内装建材
 DAIKEN株式会社様(富山県南砺市)と利昌工業の共同ブースでは、表面硬度に優れた内装建材を来訪者にご提案しました。
 これは不燃性住宅建材として多く採用されるDAIKEN蒲lの「ダイライト」の表面に、利昌工業が開発したCNF成形板(0.5mm厚)を配し、さらにその表面に様々な意匠の化粧シートを張った三層構造の内装建材です。

 吸湿による寸法変化を抑えるため、CNF成形板にはCNFに30%程度の樹脂を含浸・熱硬化させたものを採用しました。
 異種材料の積層は、利昌工業が最も得意とするところで、この共同開発はNEDO、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成を得ることで成就しました。
 今回出展した内装建材(上記グラフのPF-CNF)の特長は、表面硬度に優れることです。一般的な木質ボードと比較して3倍以上のブリネル硬さ(60N/mm2)を有します。これによりスケートボードや車いすバスケットの室内床面などにご提案申し上げました。大勢のご来訪を賜り、まことにありがとうございました。

■CNF-100%のパイプやパネルを採用した車いす
 世界最軽量の車いすや金型、治工具などを製造販売されている橋本エンジニアリング株式会社様(静岡県浜松市)と、義足や義手、装具などの製造販売をされている川村義肢株式会社様(大阪府大東市) の合同ブースでは、利昌工業のCNF-100%部材でできた車いすが展示されました。

 CNF-100%部材の軽さや丈夫さを高くご評価いただき、ご採用に至ったものです。利昌工業は、座面やフットサポート(あぶみ)にCNFハニカムサンドイッチパネル。フレームには、仕様に沿った形状に仕上げたCNFパイプをご提供しました。

◆開発スタッフによる体感的感想
 個人により体感的な感想はそれぞれですが、開発スタッフによると、昨夏の炎天下での試乗テストにおいて、CNF車いすは発汗量が格段に少なかったそうです。CNFは熱伝導率が非常に小さく、フレームからの輻射熱が少ないことによるものと推察しております。
 さらにCNF車いすは、衝撃吸収性に優れ、とくに左右の車輪が独立して衝撃を吸収しているようだとの体感的感想も得ております。この先さらなる改良が進むことで実用化され、利昌工業のCNF部材が福祉の分野にも貢献できると幸いです。

■CNF-100%のパイプ
 本展示会場の一角では、昨年の大阪・関西万博において、ナノセルロースジャパン(NCJ)が展示した「うわっ、うわっ、うわっ、ナノセルロース」の内容が再現されました。NCJはナノセルロースの技術開発や普及に取り組む産学官からなる組織です。利昌工業もこのNCJのメンバーであることからCNF-100%のパイプが展示されました。

持続可能な開発目標達成のために
 ナノセルロースは、プラスチック、繊維、化粧品、食品、インク、高分子吸収体などさまざまな材料や製品に取り入れることで、その改質や機能性の改善、さらには高性能化を図ることが期待されています。これを石油由来の材料と置き換えることができれば、持続可能な開発目標達成に近づきます。NCJメンバーは、この分野で世界に冠たる技術を開発すべく連係、研鑽を重ねております。