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■国際レーシングコースを疾走
先日、利昌工業が開発したセルロースナノファイバー(CNF)-100%の部材をフレームや座面に採用した生活用の車いすが鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)の国際レーシングコースを疾走しました。
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■鈴鹿シティマラソンにエントリー
これは、第28回鈴鹿シティマラソンの「1.5kmバリアフリー」部門にエントリーしたものです。この部門には、車いすのほか杖や装具などの補助具を使用される方と、その伴走者が出走されます。
車いすは、体の不自由な方が利用される福祉用具です。いっぽう、かなり極端な表現になりますが、CNFパイプは「紙でできたパイプ」です。さらにこのCNF車いす、部材の接合は、もっぱら接着剤で行い、ボルトやナットといったものでホ(かしめ)ていません。
それゆえ実用化に向けては、このCNF車いすで相当なスピードを出したり、相当な坂を登ったりあるいは左右方向に傾く道を前に進んだり、といった日常の使用では生じないような厳しい負荷をかけても大丈夫かという検証が必要です。
ただそれを公道で行うわけにはまいりません。そこで本レースへの出走をお願いして、許可を賜ることができたわけです。
主催者様に対しましては、ここであらためて厚く御礼申し上げます。
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■起伏に富んだ過酷なコース
鈴鹿サーキットのコースは、全長が約5.8km。高低差はなんと52mもあります。
バリアフリー部門は、このうち最初の1.5kmのみを走ります。それでもスタートから、いきなり高低差約20mの下り坂。事務局よりスピード出し過ぎ注意の指示が出るほどで、出だし直後はまさに疾走です。
そのあとすぐに第1コーナーが待っていて、ゴールまでは、ひたすら高低差30m近くの登り坂。平坦な道は一切ありません。しかも第2コーナー、S字コーナー、そして曲がる方向が高くなっているカーブ(逆バンク) と続きます。
日ごろはレーシングーカーが疾走しているとはいえ、それでも少し気の毒に思えるほどです。
レース専用車ならともかく、生活用の車いすなら、まず遭遇しないような過酷な条件です。
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■無事に完走
さらに耐久試験の条件として、車いすには重量的にも大きな負荷をかけました。テストドライバーは体重88kgの堂々とした体格の方(健常者)です。また万一の事態に備えて若くて元気な伴走者を二人つけるなど、安全対策にも万全を期してスタートしました。
そして、ことほどさように過酷な条件にもかかわらず、CNF車いすは途中で破損することなく、テストドライバーとともに、無事ゴールに到着することができました。
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■川村義肢株式会社様
利昌工業の100%-CNFの部材を使用して、この頑強な車いすを設計・製作されたのが創業80年の川村義肢株式会社様(大阪府大東市)です。
同社のテストドライバーによると、CNF車いすはアルミ製のものより振動減衰性にすぐれ、これが直進安定性に寄与していると思われる。とのことです。
またレースは冬の朝9時にスタートしましたが、CNFは熱伝導性が低いので、レースよりも長い待ち時間も含めて、車体の冷たさが体に伝わらなかった。との感想も得ています。
今回得られたデータでCNF車いすの実用化がさらに進展し、利昌工業のCNF部材が福祉の部門でも貢献できることを期待しております。
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■ご参考:セルロースナノファイバー(CNF)とは
セルロースは、植物の光合成から得られる自然由来の高分子です。最も身近にあるセルロースは紙です。CNFは紙の繊維(下写真)をさらに百から千本に割いたサイズです。
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紙はショッピングバッグに使用されるなど、そこそこ丈夫ですが、繊維をさらに細かくすれば、互いに絡み合う箇所が増えることで、構造材になり得る強度がでます。CNFは90%以上が水である「スラリー」という状態で提供されます。
この状態からCNFのみを取り出してパイプや板に成型できるのは管見の限り、世界中で利昌工業のみです。
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