■はじめに
近年、高周波回路用基板に対する要求は多様化し、その要求のひとつに、回路基板の小型化があります。一般に、基板材料の誘電率が大きくなるほど信号の伝播波長は小さくなりますので、回路基板の小型化には比誘電率が高い基板材料が望まれています。
また、周波数が高くなるほど信号の伝送ロスが大きくなるため、これらの分野に使用する基板材料には、ロスが少なくなる誘電正接の低い材料が重要とされています。
利昌工業では、これらのご要望に対して、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂)をベースとした高誘電率で低誘電正接を特長とする、高誘電率ガラス基材銅張積層板「CS-3396」をラインナップして、アンテナやパワーアンプ基板の小型化用途としてご採用頂いております。
このたび、CS-3396 の高周波領域での利用を想定し、新たに誘電特性の安定性に関するデータを取得しましたので、その結果をご報告いたします。 |