Products News 280

2022年10月10日

利昌工業株式会社


稼働時の高熱を逃がす
 自動車のヘッドランプに使用される高輝度LEDや、電気自動車の電力変換装置に使用されるパワー半導体などは稼働時に高い熱を発します。
 パワー半導体の内部温度は175℃にもなるといわれます。このような熱が部品の内部にこもると、誤作動や低寿命といったトラブルになりかねませんので、これを放散させるため、熱伝導性に優れたプリント配線板に搭載されています。

ガラス布とエポキシ樹脂でも高熱伝導
 物理学の法則に「よく電気を通す物質は熱も通しやすい」(ウィーデマン・フランツの法則)というものがあります。このため高熱伝導プリント配線板材料には、優れた導電体であるアルミ板や銅板の表面に絶縁層を配し、この上に回路を形成したものが多くあります。
 これに対して利昌工業では、いずれも優れた絶縁物であるため熱をあまり通さない、ガラス布とエポキシ樹脂の複合材(ガラスエポキシ)であるにも関わらず、熱伝導性に優れたプリント配線板材料をラインナップしております。


6倍の白色タイプと10倍のタイプ

 ガラスエポキシタイプのプリント配線板材料は業界でFR-4と呼ばれます。汎用品の熱伝導率は0.3W/mK程度です。これに対し、本稿でご紹介する高熱伝導FR-4タイプは、汎用品の6倍となる1.8W/mK、さらに10倍となる3W/mKのラインナップがあり、安価に放熱基板が製作できることで、多くのご採用を賜っております。
 

薄型化による熱抵抗の低減

 一般的に繊維強化された高熱伝導プリント配線板材料の多くは、ガラス不織布をガラス布で挟んだ構造のCEM-3と呼ばれるタイプで、おのずと1mm程度の厚さとなります。
 いっぽうガラス布のみで構成される利昌工業の材料は厚さ0.1mmにすることができます。このため熱の抜けが良い、つまり「熱抵抗の低減」を図れるのが特長です。
 すぐれた熱伝導性と低い熱抵抗。これらの相乗効果で、発熱部品を搭載する基板を、金属製の筐体などに密着させて、ここに熱を逃がすと、簡便で効率の良い放熱設計が実現します。
 





詳細は、PDFファイルでご覧頂けます。
当、Products Newsは、「RISHO NEWS 227号」より抜粋しました。
FR-4タイプで高熱伝導性を実現 高熱伝導 ガラス布基材エポキシ樹脂プリント配線板材料(PDF 10,633KB)



利昌工業株式会社