Products News 292

2024年7月10日

利昌工業株式会社


木材で強化
 ウッドライトは木材を「かつら剥き」にした薄い板(単板といいます)に、フェノール樹脂を含浸させ、所定の枚数に重ねたものを、加熱しながら高圧でプレスして作るユニークな熱硬化性FRP(繊維強化プラスチック)です。
 利昌工業は、戦争中にアルミニウムの「代用品」として軽くて丈夫な「強化木」を開発していました。1946(昭和21)年、これに電気絶縁性を与え「絶縁強化木」としてリリースしたのが「ウッドライト/WOODLYTE」です(昭和28年5月商標登録)。
 基づく規格が異なるため単純な比較はできませんが、ご参考程度に、ヒノキの自然木の曲げ強度が70メガパスカル程度であるのに対し、ウッドライト(SS)のそれは200メガパスカル程度です。

用途
 終戦直後のモノ不足の時代にあって、電気絶縁性と強度、さらには、耐湿性、耐熱性、耐薬品性に優れたウッドライトは、つぎのような用途に多く採用され、利昌工業の戦後の復興を支える看板商品となりました。
1. 強度を要求されるかなり大型の絶縁物。
2. 油の中で使用される絶縁物。
3. 活線工具類の絶縁棒。
4. 金属が使えない部品で、強度を要する場合。
5. 一般木材では硬度、強度ともに不足で、しかも均一な材質が要求される場合。
6. 適当な角度で切削すると、味わいのある等高線模様が現れます。これを生かした工芸的な用途。

特長
 絶縁強化木ウッドライトは、次のような特長が評価され、多くのご愛顧、お引合いを賜っております。
1. 油中、気中を問わず、その電気的、機械的性能に劣化がありません。
2. 長期浸水後も絶縁抵抗が早く回復します。
3. しかも普通の合板とちがって、積層のハガレ、歪み、ネジレ、ひび割れなどの不安がありません。
4. 自然木の油煮やパラフィンを注入した絶縁木と比較して、電気、機械、耐水性能などはるかに優れることはもちろん、組成が均一であるため、安定しています。
5. 耐湿性、耐熱性、耐薬品性に優れます。
6. 味わい深い等高線模様は、バフ仕上げによってさらに優美な光沢を得ます。


詳細は、PDFファイルでご覧頂けます。
当、Products Newsは、「RISHO NEWS 234号」より抜粋しました。
ウッドライト 持続可能な開発目標に取り組むための材料として再び注目(PDF 4.56MB)



利昌工業株式会社