
創業者 利倉駒二郎の肖像画とともに
取締役名誉会長 利倉晄一(左) / 代表取締役社長 利倉幹央
2021年、おかげさまで利昌工業は創業100周年を迎えることができました。
この100年、テクノロジーの進歩はめざましく、世間では、期待の新商品として登場するも、ごく短命にその使命を終えたものが少なくありません。
これに対して利昌工業の製品には、もうすぐ卒寿あるいは喜寿を迎えるものをはじめ、半世紀以上を経て、今なお多くのご愛顧を賜るものがいくつもあります。
これらの多くは他に追従するのではなく、市場のニーズを捉えて自ら開発し、その業界のお役に立つものとしてご提案しました。工業系の限られた用途に向けたものばかりですが、テクノロジーの進歩にあっても途絶えることなく、むしろ新たな展開を見ることで、国内あるいは世界的にも多くのシェアを得ています。
このような製品を多く擁することができたのは、創業の精神として、マーケティングと研究開発を重視する経営を貫いてきたからだと自負しております。
これらは長年にわたって磨きをかけたふたつのコア技術、すなわち「積層技術」と「注型技術」を用いて製造されますが、今後はさらに「第三のコア技術」を獲得することを目指しています。
そしてたとえ狭い市場ではあっても、そこで大きな占有率を長きにわたって獲得できる製品を、ひとつでも多く育てたいと存じます。
利昌工業は、これからも研究開発を通して、社会の進歩に少しでもお役に立てる企業になるべく努力いたします。
皆様方のご指導、お引き立てを賜りたくお願い申し上げます。
取締役名誉会長 利倉 晄一
関係各位のご支援を賜り、利昌工業は2021年に創業100周年を無事迎えるに至りました。
当社は1921年、電気絶縁材料の商社「利昌洋行」として出発しました。その後、電気絶縁材料の専門メーカーへと転身、さらには電子材料、あるいは、配電盤用電気機器の製造販売へと多角化を進めて参りました。
また、国内中心であった販路は、中国無錫に2つの生産拠点を持つ事で海外へと、その拡大に努めて参りました。
直近の30年間を振り返りますと、日本企業が低成長に苦しむ一方で、海外企業は大きな発展を遂げました。これら企業の活躍の舞台は自国にとどまらず、グローバル市場へと大きく広がっています。
当社としましても、国内外からの要望に応えるべく視野を広げ、世界の潮流に対応すべく柔軟に変化しなければとの思いに至っております。
その一例として、自然由来の素材であるセルロースナノファイバーや、絶縁油を使わない風力発電用の変圧器といった、持続可能な社会の実現に向けた商品開発も積極的に進めています。
企業の目的は営利にあっても、社会に迷惑をかけることのない「善なる存在」であること。すなわち道徳心を持たずして、その継続は難しいと考えます。
100年を経て、ここでいまもう一度、創業当時の精神を忘れず一歩一歩着実に前進できればと考えております。
利昌工業が引き続き社会に求められる企業であり続ける事ができるよう、全社一丸となって頑張って参ります。
今後とも皆さまのご支援よろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長 利倉 幹央